元の日本橋のたもとで気のいいシクロドライバーと別れ,時計を見る。まだ13時過ぎ,お粥の店はまだ準備中だろう。しかたないので通りをぶらぶら歩く。
さっきまでの田園風景が頭にこびりついて,本来なら行きたくなる博物館や保存された家屋にも食指が動かない。外から覗き込むだけでやめておく。
だいぶ暑くなってきた・・・どこかで休みたい。
道端の小っちゃなカフェを見つけて座り込んだ。かろうじて建物の屋根の蔭になっているここは,外でもなく内でもない狭間の空間,境界。
店番の男の子が出してくれたヴェトナム・コーヒーがぽたぽたとドリップするのを待ちながら,ぼんやり通りを眺める。目の前の道を行く観光客や街の人との間に,蜘蛛の糸のような微妙な緊張が感じられた。明るい太陽の下,くっきりとしていながら物憂さの漂う異国の昼下がり。
見どころを探して歩き回り心を震わせるのもいいけれど,たまにはこうして腰を落ち着けてぼけっと時を過ごすのも悪くない。この小さな町は数日滞在して,贅沢に時間を使うのが似つかわしい,そう思った。
14時前,お粥の店に顔を出した。もうできるというので,そのまま低いテーブルに。椅子といっても,市場や路上でよく見かけるプラスチックの腰掛け・・・日本の銭湯などによくあるやつだ。
しばらくして出てきたチャオ・ヴィットは,予想してたより油が浮いていたが,全然油っぽさを感じずほんのり辛くておいしかった。予想どおりアヒルの肉もいい味を出していた・・・いくつかが細い骨付きのままなのが難だが。
食べている間にあのアオババの女の子が出てきた。テーブルに置いていたガイドブックを手に取って眺め始めたので,早々に食べ終えてまたコミュニケーションを図る。何だかんだとやってるうちに,家族全員が出てきてみんなでシートを指さして楽しむ。そうしてる間に,母親が抱いていた赤ん坊が盛大にお漏らしをして大笑いになったり・・・。
こんなに人と接するとは,この旅に出る前には思ってもみなかった。話が通じるような人に会いたくなくて,自分を隔離したくて旅行に出るような,一種自閉した旅をする僕としては,意外な展開だった。フエの女の子たち,シクロドライバー,お粥の店の家族の皆に感謝。
華僑会館や古い家などは全然見なかったけれど,また来るつもりだからその時に見ればいい。
Googleマップ Hội An, Vietnam(1996.03.06):クリックで拡大 この後に訪れたミーソン遺跡で,神の怒りに触れたかカメラを水没させてしまったため,画像の色がかなりおかしくなっている・・・
- 2008/08/26(火) 09:45:53|
- ダナン,ホイアン(越南)
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