週末の街に出て来ている少数民族は女性ばかりではない。もちろん男たちもいるわけで。
でも彼らはあまり目につかない。すてきな色使いの衣装の女性に比べて地味なせいもあるが,道を歩いている方が少ないのだ。
歩いてなければ何をしているか?と言えば,そちこちにたむろしているというわけ。閉まった店の扉の前に座り込んで,太い竹のパイプで煙草を吸っている長老みたいな爺様を囲んでひそひそしゃべってたり,階段道の踊り場スペースで持参の楽器を奏でていたり。
彼らの衣装はストイックだ。
藍色の無地のズボンに同系色の長袖シャツ+ちょっと裾の長い丸首の袖無しのベストもどき。背中には褐色のリュック,頭には小さな丸い藍染めの帽子もしくはターバン状の被り物。言ってしまえば,詰襟のような美しさだ。赤や緑を効果的に使った上に,民族によってはさらに銀色のアクセサリーを要所に飾りつける花モン族の女性衣装に比べると街の色に溶け込んでしまう感がある。
もっとも同じ色使いの衣装の女性も確かにいるわけで(これは黒モン族とか),でも彼女たちはすぐに視野に飛び込む。印象として,女性の方が活動的に動き回っている気がする。それに,大抵大きな籠を背負っているから,それだけでも目につくわけで。
路地の突き当たりの低い垣に楽器を携えた男たちが座っていた。民族はバラバラのようだ。
竹を何本かまとめてそれを直角に長い吹き口に差し込んだものを,ちょっと借りて吹いてみた。音が出ない。首をかしげていると,持ち主が前に伸びる竹に指を当てる。途端にハーモニカのようなリード音がした。
わかった! 日本の雅楽で使う笙と構造は基本的に同じなんだ。音竹に開けられた穴を塞がないとその管の音は出ない。ということは,吸ってもちゃんと同じ音が出るはず・・・やはりそうだった。両手の指で全部の穴を塞いで強めに吹く。どこかもの悲しい,短調とも長調ともつかない和音が流れ出た。
確かラオスにもこれに似た形の楽器があった。ケーンと言ったか。そういえばサパのあるこのあたりは,ラオスにも近い。
好奇心が満たされたので,お礼を言って持ち主に返す。特ににこりともせず,胸元に構えて何かの曲を吹き始める彼。・・・うん,なにか,いいな。うまく表現できないが。
BGM NOW コブクロ/今と未来を繋ぐもの[★★★★] |
- 2008/01/19(土) 18:36:50|
- 北部(越南)
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