どこまで行っても代わり映えのしない田舎道。
少し歩き疲れたので,宿に戻って休憩することにした。
ロビーでガイドとばったり出くわしたら,いきなり詰問口調で「あなた,どこに行ってたんですか?」
実は,14時から近所の滝を見に行くトレッキングツアーがあったらしい。昨夜,バスを降りる間際に言っていたらしいが,完全に聞き逃していた。
部屋に戻ってガイドブックを片手にベッドに横になったら,いつの間にかうたた寝をしていた。昨夜が遅かった上に朝早くから歩き回っていたのだから,無理もない。
目が覚めたら,既に19時。外はもう人の顔もよく見えない。ところどころに街灯が頼りない明るさでぽおっとあたりを照らす。気温も急に下がってきて,また霧の気配がする。
腹ごしらえに,と割と人が入っている路地の小さな食堂を訪れた。
入り口をくぐると,女将(というには若い)が出て来て,ここは一杯だから,と一つ挟んで隣の店へ案内してくれた。もっともこれは別の飯屋ではなく,二つの店で出す料理を僕らが案内された方の店の厨房で作るというわけだ。察するに,どちらかは昔は別人がやっていたのを買い取ったか譲り受けたかしたんだろう。
テーブルのすぐ横が厨房,というより竈になっていて,若い女性が忙しく火を相手にしていた。
頼んだのは鶏肉定食(Cơm Gà)。
本当のコム・ガーは鶏ガラスープで炊き上げたご飯の上にローストした鶏肉を載せたものだが,ここのはそうではなく,鶏肉入りの炒飯(Cơm rang Gà)と肉野菜炒め(Rau xào thập cấm)のセットだった。
こちらにいる客は僕だけだ。
たった一人の客以外にはやっと立ち歩けるようになったくらいのと,ちょこちょこと歩ける程度の2人の幼児。プラスチックの椅子に座っていたかと思うと,そこから下りてずりずりこっちに押して来たり,テーブルの陰から顔を覗かせ合ったりと,お遊びに夢中。こちらを向いた時にいないいないばあをしてやったりすると,キャハキャハと笑って楽しそうだ。
そのうち父親らしい若い男が入ってきて,料理している女性(たぶん妻)から鶏肉の小さな塊を受け取った。見ていると,少し自分の口で噛み砕いて小さな子の手に置いて食べさせる。大きい方には骨のついた塊をそのまま渡す。しかし,まだ頑是ない歳のこと,食べないでいじくり回して遊んでしまう。
「こらこら」という表情でそれを取り返す若い父親。取られてむくれる子。そのうち扉の蔭にしゃがみ込んでしまって,しばらくすると何やら液体が流れてきた。土間にすぐにしみ込んでいったその正体は・・・(深く考えない方が精神衛生上よろしい)。
- 2008/03/06(木) 09:11:42|
- 北部(越南)
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