日射しも温かさを増してきて,春が近いという感じが漂ってきましたね。
その昔住まっていた,山口の父方の祖父の家。
裏手の広い畠の境界線の畦道沿いには,この時期になるとあちこちにそろそろ蕗の薹や土筆が姿を見せてましたよ。おやつの後,祖母さまに「摘んでおいで」と言われて,小さな笊を抱えて採りに行ったものです。
もっとも,蕗の薹はともかく,土筆の方は幼い子供だけに穂が開いたのばっかり摘んでしまって,「使えないから採り直してきなさい」なんて言われたりして。
でも,ぽかぽかとお陽様に背中を照らしてもらいながらの摘み草は,周りから草の匂いにも包まれてなかなか気持ちがよかったものだから,何度でも喜んでやったのですけどね。
必要なだけ集まったら,今度は下準備。
土筆は,節ごとにある袴をきれいに取りませんとね。炬燵の上で二人向かい合って黙々と取っていくわけですよ。これが湯がくと嵩が激減してしまうので,子供心に「このくらいでもういいんじゃない?」と思っても,祖母さまのお許しはなかなか出ないわけで。
まあ,終われば小さな甘いものをご褒美にもらえるのがわかっていたから,文句も言わずにやってましたが。
下ごしらえの終わった土筆は,おひたしに。
蕗の薹は,刻んでお味噌汁に。
熱い湯気の中に漂う爽やかな匂いと,口に含んだ時の微妙な苦み。今のお子さんたちには拒絶されそうな味わいだけれど,小さな頃から馴染んでいたせいか,不味いと感じたことはありませんでしたね。
それよりも,この香りと味が食卓に上ったら春はもうすぐそこだとわかって,どこかしら心が浮き立つような気分になったものです。
毎年この頃になると,口の中に昔の春先を思い出してしまうのでした。
BGM NOW Britten/Simple Symphony(I Musici)[★★★★★] |
- 2008/03/06(木) 16:02:52|
- 追憶
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>くまごろーさん
どういうわけか,菜の花とは縁がなかったですねえ。祖父さまが畠で大根系の野菜も作ってたのに。
ちなみに,肥料の一部は家を建て替えるまでは人糞でした。アレルギーと縁がないのは,そういう生育環境にあったのかも(笑)
あと春菊なんかも,小さい頃から大好きでした(変)
イナゴの佃煮,いいっすねえ〜! 蜂の子もいけますよ? 信濃のざざ虫はまだ食べたことないけど。
- 2008/03/08(土) 10:20:16 |
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