The 3rd. ..........なべてこの世はこともなし

 1999年に沖縄移住したゲイが垂れ流す身辺雑記,気になる記事,年下彼氏とのノロケ,過去旅話。

No.5850:古都フエ(Huế)散策3

 昨夜は部屋の外のテラスを叩く雨音に雷まで鳴り始めて,どうなることやらと思いなら眠りに就いた。朝6時。目覚ましもかけないのに起きてしまったのは,やはり天気が気になってたからだろうか。
 おそるおそるカーテンを開けると,晴れとまではいかないものの,空は明るい。よかった。目の前に見えるフォーンザン(Hương Giang)のテニスコートでは,もうスパコーンスパコーンッといい音が響く。みんな地元のヴェトナム人らしい。優雅なことだ。
 身支度を整えて下に降りる。まもなくガイドがやってきた。名前はLuu Van An。名前のAnはダラット(Đà Lạt)で世話になったガイドと奇しくも同じだ。しっかりした顔つきの中年男で,かなり知的な雰囲気がある。
 挨拶を済ませて,まずはカブに跨がって,手近のカフェへ。練乳たっぷりのヴェトナムコーヒー・カフェスア(Cà phê sữa)を朝飯代わりに。ここは新市街の東の端で,住宅地が近い。学校へ通う生徒や子供たちの自転車が行き交うのを,甘みたっぷりの濃いコーヒーをちびちびと舐めながら眺めていたら。
 「Well, where do You wnat to visit?」・・・そうだった。行きたいところを手帳に書いて示す。
 「トゥドゥック(嗣徳)帝陵(Lăn Thự Đức),ティエウチ(紹治)帝陵(Lăn Thiệu Trị),ホンチェン殿(Điện Hòn Chén)
  バオクォック(報国)寺(Chùa Bảo Quốc),ディエウデ(妙諦)寺(Chùa Điệu Để),扶光郡王邸宅,安定宮(Cung An Định)」
 ふーむ,としばらく眺めている。頭の中で効率的なルートを組み立てていたのだろう。おもむろにペンをとって順番を書き込んだ。
 「O.K.?」
 地図上のどこにどのスポットがあるのか殆どわからない状態なのだから,全部見られれば僕に異存はない。では,出発だ。

 カブは元気よく走り出し,後戻りしてチャンティエン橋(Cầu Trường Tiền)を渡った。新旧二つの市街を結ぶ橋は,今日も混雑している。何しろ,橋はこれを入れて3つしかないのだから。
 ドンバ(Đông Ba)市場の傍の橋で運河を渡り,昨日歩いた通りの対岸,バクダン(Bạc Đằng, 白籐)通りに入った。そろそろディエウデ寺かな?と思ったあたりで,なぜかカブは横町に入った。建て込んだ住宅地。その一角にある自宅へ寄道だ。
 気の弱そうな犬が一声吠えて引っ込む。その頭をAnさんが撫でて,僕を中へ招じ入れた。セメントできれいに塗り上げた床面。ソックス越しにひんやりとして気持ちいい。立派に飾られた仏壇を眺めている僕に,Anさんがそれじゃ行こうか,と促す。よく見ると,日中の眩しさから目を保護するためのサングラスが胸ポケットに刺さっていた。つまり,自宅に忘れ物を取りに帰った,というわけだ。

 ディエウデ寺はそこからすぐ近く,乗ったかと思ったらもう下りることに。少しだけ開いた門。本当にに入っていいのか?と躊躇するような佇まい。
 中は庭だった。一杯に茂った植え込みの木々。その間をまっすぐに土の道が本堂に通じている。その本堂はしっかり閉ざされていて,見学はできなかった。でも雰囲気はいい。Anさんによると,本堂の扉は朝晩2回の勤行の時にだけ開かれるとのこと。
 本堂から振り返って眺めた庭。昨日からの雨でしっとりした空気に包まれて,静謐そのもの。実際,丈の高い木立に囲まれているから,寺外の物音はすべてシャットアウトされている。いかにも古刹らしい(もっとも寺ができたのは19世紀,阮朝になってからだが)。近所の学生が,その静けさの中で教科書を広げていた。図書館などで人口物に囲まれて勉強するよりも,ずっと落ち着いてできるに違いない。
 どこかから澄んだ甘い匂いが漂ってきた。風を頼りに主を探したら,まっ白なクチナシ。艶やかな葉と柔らかな花。
 妙諦寺(漢字ではこう書く)は阮朝の国寺の一つだったそうだ。位置は大内の真東。東方鎮護の役目を持っていただろうか。

 僕を乗せたバイクは,南下してドンバ市場の前まで戻った。新市街へ向かうのだとばかり思っていたら,市場の前で右折,昨日シクロで通った運河に面した,片側商店街風の小さなフィントゥックカン(Huỳnh Thúc Kháng)通りへ。
 花を一杯にディスプレイした店の前でAnさんは僕に降りるように言った。こんなところに何があるんだ?と当惑していると,Anさんは中に入って店の人たちと話し始めた。
 「This is my frined's shop.」
 ああ,なるほど。で,ここで何を?・・・と聞く前に答えが出てきた。丼から湯気を立てるフエ名物の麺・ブンボーフエ(Bún bò huế)だ。家族ともどもソファに座って啜り込む。ピリッと舌を刺激する辛味がほどよくて,美味しくいただいた。
 落ち着いて店の中を見回すと,花屋だとばかり思っていたら,金細工などのディスプレイもあったりして,ジュエリーの類いも扱ってるようだ。どうやら縁起物というか,儀礼用の品々を販売する店らしい。
 東向きの店内,朝陽が柔らかく射し込んで,ほんわりと温かい。しばらくテレビのサッカー放送を眺めながら,食後の一服。主人とAnさんは,試合の展開にけっこう盛り上がっていた。ヴェトナム人もサッカーは大好きなのだ。きりのいいところでお礼を言って,ということはつまりただ喰いだったわけだが,再びカブ上の人に。



フエ:ディエウデ(妙諦)寺
Google Map, Vietnam(1998.03)




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Ikuno Hiroshi

Author:Ikuno Hiroshi
Self
↑現在  ↓過去の一時期
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広島から沖縄へ移住した100%ゲイ。
年齢不詳に見えるが五十路を越えた。
ハッテンバで出逢った10歳下の相方と
・・・何年目だっけ? でも,いつも
いちゃいちゃ熱々バカッポー実践中。

LC630以来の筋金入り林檎使い。
Power Macintosh 7300
→ iMac(Blueberry)
→ eMac
→ iMac (20-inch, Early 2009)
虎→雪豹→獅子丸
→山獅子→寄席見て
→得甲比丹
iPad miniは2017.06.08に退役,
以後はiPad mini4(Gold)に。
更に,iPhone6!
ネットはNiftyServe以来の古参兵。

ついでに典型的なB型的性格。
パタリロのギャグは
ほぼ暗記しているらしい。
猫・犬複本位制だったが,
現在は,猫本位制に移行。
芸能・スポーツ以外の雑学王(笑)

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読書中の本(2017.Nov.18~)

honto
イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘

ISBN :978-4-06-258544-6
新井 政美編著
講談社選書メチエ(1,728円)

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