・・・で,次はこの橋を渡ったわけだ。さすがに橋からの海の眺めはよかった。それにしても料金は高い。
島に渡ってすぐの淡路島南インターで自動車道から下りて,一路西へ。今日の唯一の目的地・灘の水仙郷。
日曜日の午後らしくひっそりとした福良の街を過ぎて,小さな湾をぐるっと海沿いに迂回。いくらも行かないうちに上り坂。小さな尾根の近くを通る。ちらりと海の色も見えて,でもよそ見すると思わぬ時に対向車がやってきて,焦ることになる。
そしていきなりきゅっとカーブして急な下り坂。すぐそこに海があるこんなところで峠越えになるとは思わなかった。
下りきった所は広々とした畑。変わった匂いが鼻を刺激する・・・そこの作物はネギだった。ポスターカラーのような不透明な緑の中に白くネギ坊主の見える畑もある。
農道風になった道は,また山にかかる。改修された2車線部分と未改修の狭い部分とが入り混じってどうも走りにくい。山を越えるとコンクリート舗装のところもあったりする。
紀伊水道に面して海岸線をトレースするが,やたら護岸が立派だったりテトラポットがごろごろしていたりして,景観は今ひとつ。行き交う車はまったくなし。
誰もいないキャンプ場をかすめて約5km。やっと水仙郷に着いた。・・・が,駐車場に車はないし,入口のレストハウスには人の気配が全然ない。変だな。
歩き出してからわけがわかった。既にシーズンは終わっていたのだ。
急傾斜にびっしり生えている水仙の群れには,数えるほどしか白い花房は見えない。風が吹くたびに細い葉だけがさわさわと音を立ててなびくだけ。鼻に神経を集中させて,やっと微かに甘い匂いがかけらだけ感じられた。
・・・ここで水仙の匂いに包まれて佇むのが今回の重大な目的だったのに。花期は12〜3月だと聞いていたから,普段の年なら大丈夫だったはずなのだ。最後の最後に暖冬のしっぺ返しを喰らってしまったな。
傷心を抱えて引き返す道すがら,梅と潮,桜の樹皮の香りがほんの少しだけ,僕を慰めてくれた。
翌朝。
宿から電話して,今日から厄介になる神戸の友人を叩き起こす。
「11時頃には着くからな」
「あ゛〜」
理解しているのかどうかあやしい返事を聞いて,早速出発。
福良からすぐにR28に入って北上する。・・・ところが。意外と込むのだ,この道。特に三原町付近と洲本市あたりがいけない。バイクの特権路肩走行ですり抜けようと思っても,道幅がさほど広くない上にトラックが前を塞いでいるので無理なことも多くて。
で,混む道は景観も面白みに欠けるという経験則はここでも該当した。どうせなら島の西側を通るエスケープルートを通ればよかったのかもしれない。
洲本市から北は海に面して眺めはよくなるが,交通量が多いことには変わりなく,それが興を削ぐ。海の色は昨日よりもっと春びて,薄くミルク色を帯びた浅いブルー。沖合いはぼうっと霞んでいかにも穏やかだ。
須磨へ渡るフェリー乗り場のある大磯が近づくと,左手上方に真新しい高架が山を横に切る。いわずと知れた明石大橋から連続する本四連絡道路だ。この時は開通直前で,最後の仕上げに工事用車両がまだいくらか動いていた。
R28を突っ走る自動車の多くは本州と四国を結ぶものらしく,僕らと同様大磯の港へ右折するものもけっこうあった。
さて。
手続きを済ませて乗り込んで。席は当然,橋が見える進行左側。
出港して20分くらい後,霞む空気の中,長い長い橋が横たわるのが見えた。・・・まったく呆れるくらいの規模だ。人間,短期間でこんなでかいものまで造れるようになったんだな,と妙な感慨。
この橋,上を走るより船からのんびり眺める方がいい。どうせ料金も高いことだし。
そして,須磨に到着。やっと本州へ帰還だ。四国を走ったのは初めてだし南四国に足を踏み入れたのもこれが最初。思ったよりも風土が違っていて面白い。・・・たぶん,いやきっと阿蘇・椎葉と並ぶツーリングの目的地になるだろう。
次はいつ来られるかな? 頭の隅でぼんやりそんなことを考えながら,神戸に向かって走り出した。
BGM NOW 槇原敬之/I eed You[★★★★] |
- 2008/06/24(火) 08:47:39|
- 九州,四国
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